子どもだけではなく「家族」にも目を向け支えあう。 浦和大学 親子のひろば「ぽっけ」の取り組み

2018.03.31インタビュー育む

2007年の「浦和大学 こども学部」創設と同時にスタートした親子のひろば「ぽっけ」。「こどもと育つ」という学 部のコンセプトのもと、家族や地域社会との関わりの中で一緒に支えあい、育ちあう場となっています。未来の保 育士・幼稚園教諭を目指す学生たちの学びの場でありながら、美園のまちに開かれ、まちとつながり、子どもたちの声が当たり前のように聞こえてくる、まるで不思議な「ぽっけ」のようにわくわくして子どもが最も大切にされる「ひろば」です。今回は「浦和大学 こども学部 こども学科」の学科長であり、「こどもコミュニティセンター」のセンター長でもある五十嵐先生と、専門スタッフの市川さんにお話を伺いました。

「子どもの気持ち」を大切に。今、ここにいることを親子で共有する。

「ぽっけ」は主に0歳から3歳のお子さんたちが、ご家族や地域の人びと、学生たちに見守られながらのびのびと遊べる「ひろば」です。目の前に広 がる四季折々の景色が美しい「ぽっけの庭」を散策したり、構内の学食で食事をすることができたり、と家庭や職場とも異なる「第三の場」としてご利用いただいています。

浦和大学の五十嵐教授にお話を伺いました。

実は「ぽっけ」では、ちょっとしたお約束がありまして、その一つが子どもに「ダメ」と言わないこと。「〇〇しないでね」と違う表現をお願いしています。また、おもちゃの取りあいも止めに入りません。子どもたちの気持ちを聞 いて「どうするのか」を決めてもらいます。子どもが「貸したくない」と言えば、他の子は待つことになりますが、 友達と関わり「遊び」に集中した経験は、同時に「学び」も深めていくことになります。保護者の方も「ぽっけ」では携帯電話の利用はご遠慮いただき「今、ここで過ごしていること」をお子さんと共有していただいています。

親も子も学んで、成長する、大切な時間。

「ぽっけ」では保護者の方向けに年に数回、講座を開いています。創作活動であったり、教員や学生と子育てについて話しあう場であったりするのですが、その時間はお子さんは「ぽっけ」で預かり、親子は離れて別々の 時間を過ごします。保護者の方にとっての学びの場であると同時に、そ の時間は子ども同士もお友達と触れあい、成長する大切な時間。だから、 講座の後は「放っておいてごめんね」ではなく「あなたも楽しかった?」とお子さんに声をかけて欲しいなと思います。そのほかにも、年に一度、カナダで生まれた親支援プログラム(※) も開催し、親同士が互いに助けあえる柔軟なつながりづくりを支援しています。


長年「ぽっけ」を支える市川さん。

※カナダの親支援プログラム(Nobody’s Perfect プログラム) …「 完璧な親も完璧な子もいない。子育て経験やアイディアをお互いに分かちあおう」がコンセプト。参加者は、グループで話しあうことで、自分にあった子育ての仕方を見つけていく。

美園にある、変わることなくある。そして、これからも。

小学生のお子さんがキャンパスで講座に参加する「一日大学生」という試みもスタートし、4年目を迎えました。 「学校教育学科」も創設され、新しい一歩を踏み出した「浦和大学 こども学部」と「ぽっけ」は、これからもこの場所で美園に関わり、つながりを続けていくことが大事だと考えています。

美園人編集部
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