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「美園」の秘めた可能性を、「付加価値」として魅せていきたい

2017.03.24

2002(平成14)年のFIFAワールドカップに先駆け、2001(平成13)年3月28日に開業した埼玉高速鉄道。「美園」のシンボルのひとつである「埼玉スタジアム2002」と都心とをつなぐ路線でもあります。
「美園人」創刊にあたり、代表取締役社長の荻野洋さんに、おもいをお聞きしました。

「美園」と都心を「一本の線」でつなぐ 埼玉高速鉄道

埼玉高速鉄道は、東京メトロ南北線とつながっています。線をたどれば本当に東京の真ん中です。私たちはこれを利用して、地域を盛り上げようとする「線の動き」を活性化させていきたいと考えています。「埼玉高速鉄道沿線」と聞けばどこに住んでいるのかがわかる、というほどに認知度を向上させ、ブランディングを進めたい。これは、鉄道会社的に言いかえれば、都市部から「美園」への人の流れをつくる、定住人口を増やすという試みになりますでしょうか。

美しきオアシス「見沼田圃」を「魅せる」

では「美園」へ訪れたいと感じてもらうにはどういう仕掛けを考えればよいのか。
「美園」は、高いポテンシャルを秘めたまちです。ですから「魅力づくり」というよりは、まず既に在るものを「魅せる」ということを考えていきたい。例えば、江戸時代の新田開発で誕生し、現在までその景観が守られている広大な「見沼田圃」。これは都心に住む人たちにとっては大きな魅力です。観光化というと大げさですが、東京の真ん中から高尾山に行く感覚とそう変わらないようになればと。

「浦和美園駅」を起点とした総合的なまちづくり

私は「アーバンデザインセンターみその(以下UDCMi)」が進めている自転車シェアリング事業に期待を寄せています。自転車があれば「見沼田圃」はぐっと近くなる、知ってもらえる。発信の仕方によって情報の届き方はガラッと変わります。魅力を伝えるには、総合設計的な発想を求められます。「浦和美園駅」を起点として自転車で散策できるというのは「美園」の魅力を引き出し「付加価値」へと昇華させることにつながるのです。
また「美園」は、UDCMiが中心となって、住宅街や道路だけでなく、住む人たちの「コミュニティ」をどうつくっていくか、ということに総合的に取り組んでいます。これはまちの「新しい付加価値」ですね。
「訪ねて楽しいまち」と「住みやすいまち」、実はこの2つは一致するのです。

集まる、拡がる。一斉に開花する桜のように、影響力のあるまちへ

「美園」周辺は安行に代表されるように植木の一大産地です。ここで接ぎ木され全国へと旅立った桜が春に一斉に花開き人びとを魅了するように、まちの「付加価値」があがり、認知されるようになってほしい。そのために私たちは連携していきたいと考えています。
鉄道を通じて「美園」に人びとが集い、交流する。
そして、その魅力が鉄道によって、都心へ、その先のまちへと、また届けられるというように。

 

荻野 洋(おぎの ひろし)
埼玉県出身。1970(昭和45)年東京大学卒業、1977(昭和52)年米国インディアナ大学留学(修士)後、日本国有鉄道(現JRグループ)入社。JR東日本本社広報部長を経て、1997(平成9)年盛岡ターミナルビル社長、2000(平成12)年JR東日本取締役盛岡支社長、2003(平成15)年日本レストランエンタプライズ社長、2009(平成21)年同社会長、2011(平成23)年日本ホテル会長。2014(平成26)年より現職。