「支援」にもいろいろあるけれど、病気を治す薬の研究に役立ててほしい~美園の中学生による小児がん支援活動を取材しました

2023.05.19インタビューみそのnews

笑顔のみぃみとの写真と一緒に、レモネードスタンドに立つ谷川ほずみさん(向かって右)

2023年5月13日にさいたま市立美園小学校にて開催された、大門美園自治会主催「大門美園ジュニアスポーツフェスタ」にて、手作りのスタンドでレモネードを提供する谷川ほずみさん。初夏の爽やかな風にのせた甘酸っぱいレモネードに、スポーツで一汗かいた子どもも大人も、思わず笑顔がこぼれます。

2017年にスタートしたこのレモネードスタンドは、ほずみさんが小学1年生の時に自主的に始めた、小児がん支援を趣旨とする寄付活動です。急性骨髄性白血病で亡くなった、大好きな弟の瑞騎(みずき)くん(当時3歳)の闘病をずっと近くで見守った経験から、「みぃみ(瑞樹くんの愛称)のように亡くなる子どもが減ってほしい、病気が治る薬ができますように」との想いを込めて、これまで回を重ねてきました。第17回目の出展となる今回、新年度を迎え中学生となったほずみさんにお話しを伺いに、取材にお邪魔しました。


―レモネードスタンドを始めたきっかけを教えてください。

もともと、アメリカでは子どもがレモネードを売ってお小遣いを稼ぐという話を聞いていたのですが、その後、やはりアメリカで、「アレックスのレモネードスタンド※」というみぃみと同じ重い病気を患った女の子が、自宅の庭でレモネードを売り、募金活動をしていたことを知りました。

レモネードなら私にも作って販売できるかもしれない、と思い、大好きな弟の名前を取って「みぃみのレモネードスタンド」と名付けてスタートしました。

―今回が17回目の出展とのことですが、これまでどのようなところで活動されてきましたか。

地元の保育園や、マルシェイベント、また、お父さんがバイクレースに出るので、そのサーキットでも出展してきました。この大門美園ジュニアスポーツフェスタは、前回に引き続いての出展です。出展するときは、通常はこちらからお願いをするのですが、このイベントは、主催者さんから「出展しませんか」と声をかけていただいたので、とても嬉しかったです。

―どんな想いで活動をしていますか。

小児がん支援と一言で言っても、「支援」にもいろいろあると思いますが、みぃみのように亡くなる子どもが減ってほしい、との想いがあります。なので、この活動での寄付は、病気を治療するための薬の開発などの、研究に役立ててもらいたいです。

みぃみとは治療中直接会えず寂しい思いもしましたが、みんな病気が治って家に帰るんだ!と信じていました。大好きなみぃみの病気は残念ながらよくなりませんでしたが、将来がんを治す薬ができてほしいと思います。

―提供しているレモネードのレシピにもこだわりがあるのだとか。

出展する会場やイベントに来て下さる皆さんのことを考えて、毎回レシピは調整しています。例えば今回は、「ジュニアスポーツフェスタ」なので、小さい子どもでも飲みやすいように、少し甘めにするなどの工夫をしています。寒いときにはホットレモネードも提供しています。暑い季節のサーキットでは、レモネードの酸味がとても喜ばれます。

―これまでの活動をふまえて、これから美園でしてみたいことなどはありますか。

よりたくさんの方に知ってもらい、支援の輪を広げるためにも、中学校や、花火大会(浦和美園まつり&花火大会)などのイベントにも出展できるといいな、と思います。
この新しいスタンドは全部手作りで、今回初めて設置しました。どこでも持っていけるので、いろいろな場所で「みぃみのレモネードスタンド」を開きたいです。


お友だちやご家族と一緒に、イベント参加者に無料でレモネードを配り、小児がん支援のための寄付を呼びかけたほずみさん。みんなでお揃いのエプロンに、やさしいレモンイエローがよく映えます。今回集まった寄付金も、レモネードスタンドを通じて小児がんについての啓発活動及び研究支援を行う「レモネードスタンドジャパン」を通して、小児がん治療の研究などに役立てられます。

ほずみさんの大好きなみぃみを思う気持ちや、小児がんについて知ってもらいたいという強い想いに引き寄せられるように、賛同が集まり、これからも活動は続きます。ぜひ「みぃみのレモネードスタンド」の今後にご注目ください。

※「アレックスのレモネードスタンド」活動(Alex’s Lemonade Stand Foundation -ALSF)は、アメリカ合衆国にて2000年、自身も小児がんを患う当時4歳のアレクサンドラ(アレックス)・スコットが、病気の治療について研究するドクターをサポートしたいと、兄パトリックの助けを借りて自宅でレモネードスタンドを始めたことに由来します。

2004年、8歳で亡くなるまでに100万ドル以上の募金を集めたアレックスの活動は、その両親によって2005年に設立された、ALSFの「全ての小児がん患者の治療のために」という理念に基づき、さらに展開・継続され、これまでに1,000以上の研究プロジェクトに資金提供するなど、まだ治療方法の見つからない病気に立ち向かう子どもたちへの支援を行っています。

参考HP:Alex’s Lemonade Stand Foundation for Childhood Cancer (英語サイト)

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