伝統の祭りで「美園」をつなぐ
~浦和大門睦會 栗原 浩次さん、内田 宜宏さん~
旧大門村と旧下野田村の鎮守として地域を見守ってきた「大門八坂神社」。毎年7月に開催される「大門八坂神社祭礼」では、まち全体が祭りの熱気に包まれます。その例大祭を支える神輿の担ぎ手集団、「浦和大門睦會」の二代目会長を務める栗原さんと事務局の内田さんに、地域に受け継がれてきた祭りの魅力について伺いました。
由緒ある「大門八坂神社祭礼」
緑区大門にある「大門八坂神社」は、日光御成街道の江戸における起点から4番目の宿場町「大門宿」の総鎮守で、毎年7月には、「大門八坂神社祭礼」が開催されます。1789(寛政元)年に作られ、約230年の歴史を誇るお神輿がまち全体を練り歩く、由緒ある祭りです。
このお神輿は、第119代光格天皇の御代に製作されたもので、修復を重ねながら担ぎ続けることが、大門の伝統となっています。最大の見どころは、各地域を回ったお神輿が最後に「大門八坂神社」の境内に戻っていく「宮入り」。溢れんばかりの人で埋め尽くされた参道をゆっくりと進む光景は壮観で、祭礼のクライマックスとして大変盛り上がります。
地域内外をつなぐ神輿の輪
大門には7つの自治会(町会)があり、地域から地域へとお神輿を順番に渡していく「町会渡し」を行っています。まず、その日の朝に、神社で大神主による神輿の清祓いの儀式が行われます。その後、神輿渡御が各地で手厚いおもてなしをいただきながら、練り歩くのです。朝から晩まで祭り一色ですね。
かつては神社が主体となって、町会・神社関係者と一緒に担いでいたのですが、人手不足のため、有志で“お神輿を担ぐ会”を作ろうと「浦和大門睦會」が発足しました。他の地域の祭りを手伝いに行くこともあり、そうした交流から、地元「美園」でお神輿を担ぐときも外からたくさんの仲間が集まってくれます。
故郷を彩る“本物の祭り”
祭りの参加者は毎年増えていて、地域ぐるみの良い関係が広がっています。「美園」に新しく移り住んできた方々にも、先輩方が時代を超えて守ってきた“本物の祭り”をぜひ味わっていただきたいです。お神輿を担いでみたいという気持ちさえあれば、年齢や性別を問わず、誰でも気軽に参加できます。微力ながら、これからも皆さんと共に、伝統的な祭りの姿を守っていけたらと願っています。