注目を集める“公民+学”によるまちづくり「アーバンデザインセンターみその(UDCMi)」
現在、土地区画整理事業が進められている美園地区。その拠点のひとつが「アーバンデザインセンターみその(以下:UDCMi)」だ。“公民+学”を基本理念に掲げ、先進的なまちづくりに寄与している。「UDCMi」の概要と街の開発状況、そして目指している街についてお話を伺ってきた。
“公民+学”を掲げて
――「UDCMi」が開設されるまでの経緯を聞かせてください。
岡本さん:現在、美園地区では大規模な土地区画整理事業を行いながら新市街地づくりが進められています。その新たなまちづくりを促進・活性させるため、2013(平成25)年12月にさいたま市の策定した「しあわせ倍増プラン2013」に、当拠点施設の設立が位置づけられ、準備期間を経て2015(平成27)年10月にオープンいたしました。
道路・宅地等のインフラ整備が進捗するなか、「東京オリンピック」が開催される2020(平成32)年に向かい、美園地区のまちづくりは新たなステージに入っています。「埼玉スタジアム2002(埼スタ)」が五輪会場の一つに予定されていますが、今後4年間で街並みは大きく変わっていくことでしょう。
美園地区の開発状況ですが、さいたま市緑区と岩槻区にまたがる土地区画整理事業区域(愛称:みそのウイングシティ)のインフラ整備について、「東京オリンピック」が開催される2020(平成32)年までには概ね一段落する見込みです。航空写真を撮っても、すぐに古くなってしまうくらいに街は日々変化しています。
学校や公園の整備、住宅や店舗の建設など、官民それぞれによる活発な投資が見込まれる美園地区。ここで大切になってくるのが、異なる立場同士が緩やかに連携し、まちの将来像を共有しながら実践することです。公共・公益的サービスを担っている“公”と、地域の活力向上を図る市民や民間企業などの“民”。そこに、大学や研究機関、専門家による“学”を加えた“公民+学”を基本理念に取り組んでいます。
新しいコミュニティが生まれる街
――「UDCMi」では、どのようなことをされているのでしょうか。
岡本さん:この「UDCMi」の拠点施設は、まちづくりプロジェクトの打合せや意見交換会、あるいは情報発信・PR等に利用されています。「UDCMi」を介して、様々なまちづくり事業やプロジェクトを活性化させ、ヨコの連携を促進させながら、最終的には各事業収益をまちづくりに還元・再投資するサイクルを確立することを目指しています。こうした取り組みの一環として、「UDCMi」の運営事務局(一般社団法人美園タウンマネジメント)では、産直イベント「みそのいち」を仕掛けたり、2人乗りの超小型電気自動車のシェアリング事業なども現在企画しています。…