見沼田んぼで活動する、美園ファーマーズ倶楽部(MFC)の活動にお邪魔しました!

2021.11.22インタビュー

さまざまな交流の場として活用可能な「Mハウス」

美園ファーマーズ倶楽部(以下MFC)は、体験農業を通じて、人と人とのつながりを深め、心と身体の健康を保ち、働くことや生きることでより充実感を感じることで幸福感を高められるようなコミュニティづくりを行っています。

去る9月4日(土)の午後、3回の農園体験を行った杉崎さんファミリーが「Mハウス」に招待されました。

MハウスとはMFCが所有するレストハウスで、体験農業をする家族が宿泊したり、収穫した野菜を使って料理や食事を楽しんだりする交流の場として使ってもらおうとオープンしました。

一軒家を改装しており、1階のダイニングキッチンも広々と開放的で、2階には寝室が複数あるので2家族くらいは泊まれるスペースがあります。体験農業をした後、祖父母と一緒に3世代で泊まったり、友人家族や仲間と交流したりするのにもぴったりです。

MFC代表の高田靖子さんは「宿泊スペースとしてはもちろん、セミナーを開催したり、コワーキングスペースとして活用したりしてもらうことも考えています。例えばヨガ講師を招いて、農園体験した翌日、朝ヨガをする、なんて使い方もしてもらえたらいいなと思っています」

北欧スタイルのインテリアが素敵な空間

野菜の成長を見ながら、親子で成長

過去の農業体験の様子

まず、この日行ったのは3回の農業体験の振り返り。杉崎ファミリーは春から夏にかけて、3回の農園体験を行いました。その体験は、MFCのスタッフ・関根隆文さんがブログにまとめているのですが、それを改めてスライドで見ながら振り返ります。

1回目は畝作りや土づくりを行いました。親子ともども、土いじりをするのは初めてなので、新鮮な感動がありました。この日、リモートで出席していた農作業指導のモリモリ先生(森川泰さん)からは「植える作物は北の方が高いもの、南に行くに従って低いものにするのは、日当たりを考慮してのことです」など、改めて解説してもらうことで、やってきたことを思い出すことができます。杉崎さん(父)も「ずっと部屋でパソコン仕事をしているので、土いじりが新鮮でリフレッシュできました」と感想を述べてくれました。

2回目は畑を管理することを体験。2回目ということで息子さん(3歳)も慣れてきて、畑で元気よく過ごすことができました。杉崎さん(母)からは「2回目はとても印象的でした。農業体験をさせたいと思ったのも、子どもに『縦・横・斜めの人間関係』を体験させたかったからです。縦は親や先生、横は同級生、斜めは祖父母や地域の人たちとの交流で、その斜めの関係をここで体験することができたと思っています」という感想をいただきました。

3回目は収穫体験。残念ながら病気で収穫が叶わなかった作物もあるのですが「なぜ病気になってしまったのか、どうやったらもっとうまく育てられるのか」を考えるという経験ができました。失敗を通して、次の目標に向かっていける。MFの農業体験は、単なる収穫体験だけではなく、親子で学びのある場となっています。

過去の農業体験を振り返る杉崎ファミリー

野菜マフィンとピクルス作りを体験

野菜マフィンを小さなコックさんと一緒に作る

この日のイベントのメインは料理体験。Mハウスのキッチンを使ってみんなで料理を作りました。メニューは野菜マフィンとピクルス。野菜マフィンは3種類。「アボカド、トマト、ベーコン」「チーズ、ツナ、トマト」「かぼちゃ、ドライイチジク、シャインマスカットのレーズン」が入った3種類を作りました。ホットケーキミックスを使ったもので、それぞれの材料を混ぜるだけという簡単なもの。

料理が大好きな息子さんが中心となり、粉を混ぜたり、野菜を切ったりをみんなで行いました。焼き上がったマフィンを一緒に食べる時間も楽しいものです。

パプリカやニンジンなどをカットして作ったピクルスは透明の容器に入れて持ち帰り。「おばあちゃんのお土産にしようね」と大満足です。

そのままでも美味しい野菜たちを、持ち帰りやすいピクルスの瓶詰にした

スポット体験から「サブスク」参加へ

MFCでは農業を体験してもらう人を少しでも増やそうということで「ちょこっと農業体験」プログラムを開催しています。1日1回のスポット体験から、今回杉崎さんファミリーが体験した3回体験できる「種まき〜収穫体験」、そして今回新たに半年間、家族や親子で専用区画を使って農業体験をする「ファミリープラン」がスタートしました。

「ファミリープラン」は月1回、MFCのスタッフがサポートに入り、栽培管理のアドバイスをしてくれます。それ以外の日でも、自分たちでいつでも畑に行くことができるのも魅力です。

杉崎さんファミリーも「農業体験のサブスクリプション」とも言えるこのファミリープランに引き続き参加することを決めました。杉崎さん(母)は、「他のファミリーと一緒にやるのも楽しみですし、作業についてわからないこともMFCスタッフの方に気軽に聞けるので心強いです」とおっしゃっていました。作る作物も、季節の野菜はもちろん、参加する方々の希望なども考慮しながら決めていくとのことですので、より自主的に参加できます。

農作業を通じて、大人も子供も幸せに

農業体験を振り返り、自分たちで作った野菜マフィンをいただきながら、これまで参加しての感想や、今後どのように活動をしていきたいか、スタッフと杉崎さんファミリーの皆さんでいろんなお話が出ました。中でも印象的だったのがご夫婦のこの言葉です。

「最初は、子どもに野菜や土に触れる体験をさせたいと思って来たのですが、いつか子育てが終わって夫婦2人になった時に畑やってみたいという夫婦2人の新しい夢もできました。夫がとても熱心に作業していて、野菜作り向いているのかも?(笑)」「単純に作物を育てるという体験が新鮮で、もっといろいろ育ててみたいと思いました。10年以内にフードシステムショックが起こると言われていますし、気候変動や食料問題についてもいろいろ考えさせられます」

畑のある場所で「ソロキャンプできるスペースを作ろう」とか「作業中に一休みできるベンチを置こう」、また「他の農園体験をしている団体と共同で何か行えないか」「浦和美園が実証実験をしているAIオンデマンド交通サービス「みそのREDバス」が通らないか」など、いろんなアイデアや夢も語り合いました。

1つの畑から様々な思いが育まれていく、過去の農業体験の様子

メインとなる畑作業も「不耕起栽培(種を蒔きっぱなしで、水やりや草取り、肥料もやらない栽培)」をしてみたり、さいたま市が力を入れている「ヨーロッパ野菜」作りにも取り組むなど、様々なチャレンジを行っています。親子や家族、仲間と何か新しい体験がしたいという方、ぜひ一度覗いてみてください!

美園人編集部
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