子どもの健やかな成長を願う 「岩槻の古式土俵入り」(釣上地区)

2017.12.27インタビュー出かける

鷹や鯉などの勇壮な柄をあしらった色鮮やかな化粧まわしを身につけ、子どもたちが土俵入りの型を披露する「岩槻の古式土俵入り(以下、「土俵入り」)」。国の重要無形民俗文化財にも指定されている伝統ある行事です。保存会会長の橋本さんにお話を伺いました。

江戸時代から続く、釣上の伝統行事。

この「土俵入り」は、子どもの成長を祈願して江戸時代から続いている行事です。実際に相撲は取らず、厳かな雰囲気の中「土俵入り」のみを行います。氏子であれば誰でも参加でき、現在は釣上(上・中・下)と釣上新田、 釣上南の3つの字の幼稚園・保育園の年長から小学校6年生までの男の子が集まっています。

私も、息子も、孫も全うした「土俵入り」。

釣上では、子どもたちが土俵まで家紋入りの赤い襦袢を羽 織ります。襦袢を脱ぐといよいよ「土俵入り」。小さい子、 大きい子、役力士の順で行われます。名前の入った化粧まわしも個人でこしらえるのですが、みな違って鮮やかでしょう。私も2人の息子も孫も、みな「土俵入り」を行いました。 息子たちの化粧まわしは神社に奉納しましたが、孫のものは今も大切に保管しているんですよ。

新しく「美園」に住まう人びとにも。

実は、参加する子どもたちの数が減り、毎年参加者を集めるのに苦労しています。ですから、最近「美園」に引っ越してきた方々にもぜひ知っていただければと思います。「綾瀬川」の東側、もともと釣上だった一帯であれば氏子ですし、子どもの成長を願い、立派な大人になってほしいと想うのは、昔からの住人も新しい住人も変わりません。「土俵入り」が「美園」に住まう方たちの橋渡しになることも願っています。

美園人編集部
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